タバコにおける黄色1縞様(YSL)遺伝子群のゲノムワイド同定と発現解析
Genome-wide identification and expression analysis of yellow 1 stripe-like (YSL)
2 genes in Nicotiana tabacum
タバコにおける黄色1縞様(YSL)遺伝子群のゲノムワイド同定と発現解析
袁海燕, 段志傑, 梁剛
植物多様性・特殊作物国家重点実験室(西双版納), 中国科学院熱帯植物園(雲南省650223), 中国科学院大学生命科学学院、北京市、中国, 中国科学院西双版納熱帯植物園、雲南省650223、中国
要旨
鉄(Fe)と銅(Cu)は植物の成長と発達に不可欠な微量栄養素である。
黄色縞状(YSL)タンパク質は、植物における金属キレート化合物の吸収と輸送に重要な役割を果たす。タバコにおけるYSL遺伝子は体系的に同定・特性化されていなかった。本研究はNicotiana tabacumのYSL遺伝子を探索することを目的とした。17のNtYSL遺伝子からなる包括的セットを同定し、系統樹上で4つの異なる系統群に分類した。エクソンとイントロンの長さと分布によって特徴づけられる遺伝子構造とタンパク質モチーフは比較的保存されている。
ゲノム局在解析により、NtYSL遺伝子は15本の染色体に不均一に分布し、ゲノム内で11対の相同遺伝子座が同定された。これらの遺伝子の機能性を調査するため、鉄欠乏および銅欠乏条件下における茎と根での発現レベルをリアルタイム定量逆転写PCR
(qRT-PCR)により分析したところ、複数のNtYSL遺伝子が銅欠乏
または鉄欠乏に反応することが判明した。本研究はタバコにおけるNtYSL遺伝子ファミリーの体系的な特徴付けを提供し、
鉄および銅の恒常性におけるそれらの潜在的な役割に関する知見をもたらす。
以下図の説明
図3. NtYSL遺伝子の染色体上の位置。
左側のスケールバーは染色体の長さを示す。
図4. NtYSL遺伝子の相同性関係。
図6. FeまたはCu欠乏に対するNtYSL遺伝子の発現。
幼苗を各種培地(FN、-Fe、-Cu)上で14日間培養した。茎と根におけるNtYSL遺伝子の発現を調べた。データは平均値±標準偏差を示す。アスタリスクは、一元配置分散分析(ANOVA)後のTukey検定による有意差(p < 0.05)を示す。
図3
図4
図6