WINEP

-植物鉄栄養研究会-


NPO法人
19生都営法特第463号
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名著「土を育てる」を読む

Date: 2023-06-02 (Fri)

  遅まきながら読んだ2022年5月30日初版のこの本「土を育てる」自然をよみがえらせる土壌革命(ケイブ・ブラウン/ 服部雄一郎訳 NHK出版)は、日本の数十年前の「自然農法わら一本の革命」(春秋社 福岡正信著)の外国版であると思った。実際に、この著者が福岡さんの本に影響を受けていることが記されている。

  福岡さんの本の場合は水田不耕起稲作農法を体験的な無農薬無化学肥料でやり遂げる技術の確立までの紹介である。

  しかしこのケイブの本はアメリカでの広大な畑地(小麦やトウモロコシや牧草や家畜を含めた)での不耕起環境再生型(ジェネラテイブ)農法を確立するまでの苦節の工程の紹介である。

  学問の急速な進歩により、土地生産力における窒素固定菌や菌根菌の解明が進んできているので、福岡さんの時代よりもこの著者の本の方がより科学的な言葉で語れていることがまず印象的であった。

  また、経営の才覚を重視して、収量よりも収益を重視している点がより現実的である。

  小生はこの本を読みながら、昔、「有機農業研究会」の講演会でともに講演したときの、福岡さんの柔和なほほえみを思い出した。
   
以下この本の目次です。
 
第一部 道の始まり
第1章 絶望からの出発
第2章 自然がよみがえる
第3章リジェネラテイブの気づき
第4章 牛が牛でいられるように
第5章 次世代に引き継ぐ
第6章 ブランドを作り出す

第2部 理想の土を育てる
第7章 土の健康の5原則
第8章 カバ―クロップの偉大な力
第9章 土さえあればうまくいく
第10章 収量よりも収益を


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