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-植物鉄栄養研究会-


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砂漠で農業を!新肥料を開発

Date: 2021-03-17 (Wed)

砂漠で農業を!新肥料を開発
03月17日 07時46分 NHK徳島放送局

徳島大学などの研究グループは、鉄分が吸収できず植物が育たない土壌でも農作物の栽培を可能にする、新たな肥料の開発に成功したと発表し、世界的な食料不足の解決につながる成果として注目されそうです。

徳島大学と愛知県の鉄鋼メーカーで作る研究グループが新たな肥料として開発に成功したのは、「PDMA=プロリンデオキシムギネ酸」という化合物です。

イネ科の植物が鉄分を効率よく吸収するために分泌する成分を基に作られ、環境への負荷も小さく、植物が鉄分を吸収するのを助けます。

栽培実験を行った結果、PDMAを与えなかったイネは鉄分の不足で葉が変色しやせ衰えてしまったのに対し、PDMAを与えたイネは正常に成長したということです。

世界の陸地のおよそ3割は、植物の栄養となる鉄分が水に溶けない状態で存在する「アルカリ性不良土壌」で農業に適さないとされていて、これらの土地にPDMAを肥料として使って農地に変えることができれば、世界的な食料難の解決につながると期待されます。

研究グループの代表を務める、徳島大学大学院の難波康祐教授は「食料問題の解決だけでなく砂漠の緑地化にも貢献できる。将来的には量産化し、世界中の砂漠を緑あふれる大地に変えていきたい」と話しています。

この研究成果は、イギリスの科学雑誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」で今月発表されました。