WINEP

-植物鉄栄養研究会-


NPO法人
19生都営法特第463号
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ミニレビュー:マメ科とイネ科の混植システムから鉄栄養における混植の利点について考察する

Date: 2019-06-08 (Sat)

以下の論文はミニレビューである。
   
   
マメ科とイネ科の混植システムから鉄栄養における混植の利点について考察する
 
From Leguminosae/Gramineae Intercropping Systems to See Benefits of Intercropping on
Iron Nutrition
 
Jing Dai, Wei Qiu, Nanqi Wang, Tianqi Wang, Hiromi Nakanishi and Yuanmei Zuo
 
Frontiers in plant science published in May 2019
doi: 10.3389/fpls.2019.00605
  
(要旨)
ここで我々は混植の効果についてこれまでの研究を要約する。
これまでの研究では石灰質土壌でのイネ科とマメ科(ピーナッツ、ダイズ)や果物(グアバ、柑橘、ブドウ、モモ)との混植が鉄栄養改善に有効であること示されている。
混植は土壌の物理化学的、生物化学的性質に、また根圏における交互の特性の違いや相互作用によって土壌微生物社会にも、強いプラスの効果がある
根圏相互作用はファイトシデロフォアの助けによる鉄の生物利用性の向上を可能にしている。
土壌微生物のが富化されることが穀物の鉄栄養の利用性を高めているだろう。
ピーナッツ/トウモロコシの混植システムは
根圏の動態と分子メカニズムの理解に貢献するだろう。
しかし根の鉄獲得を制御している微生物圏の役割や、これらの現象に潜むメカニズムについては、このピーナッツ/トウモロコシの混植システム以外でも、さらに明らかにされるべきである。そのことがさらに鉄獲得効率の向上に寄与する混植法の開発につながるだろう。


下表にはこれまでの混植試験の収量調査の結果が示されている。

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