WINEP

-植物鉄栄養研究会-


NPO法人
19生都営法特第463号
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千葉県木更津市で流動水耕栽培ミニトマト農家を見学させて頂いた

Date: 2015-01-13 (Tue)

千葉県木更津市で流動水耕栽培ミニトマト農家を見学させて頂いた。

ほとんど全てのトマトの木に鉄欠乏症と思われる葉脈間クロロシスが見られた。単に鉄欠乏ばかりの症状ではないかも知れない。なぜなら水耕栽培で水耕液にEDTA鉄を投与していても、発生するということであるから。一方で文献的にはこの症状は亜硝酸傷害でも見られ、トマトのニコチアナミン合成酵素遺伝子欠損株(chloronerva)と非常に良く似た症状だからである。EDTA-Feの過剰投与による金属代謝異常かも知れない。
 
それでもコンスタントにミニトマトの収量がとれているので、農家はあまり気にしていないようであった。さらに対策を見いだせれば、現在よりもはるかに収量がいい高品質の果実が撮れるのではないかと思われた。
 
トマトの木は15段ぐらいまで半年に亘って生育させると言うことで、主軸を30度ぐらいの斜めの傾斜で長々と延ばしていく栽培法であった。

半年ごとにハウス内の全部のイチゴを刈り取って、太陽熱(?)殺菌して、改植するということである。

粒径ごとの選果を行っており、東京方面と千葉方面に出荷している。千葉の住民はミニトマトの大玉を好み、東京の住民は小粒の数の多い方を好むという指摘は面白かった。
 
これが直接の鉄欠乏症かどうかを知るためには即効性の2価鉄イオン資材を、クロロシスの葉っぱに実験的に葉面散布してみることを提案しておいた。
 

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ミニトマトが満載されている。年に2回改植する

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葉脈間クロロシス

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粒径ごとに選果する機械