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-植物鉄栄養研究会-


NPO法人
19生都営法特第463号
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アラビドプシスの細胞内トランスポーターAtNRAMP6は鉄ホメオスタシスに関係している

Date: 2019-11-22 (Fri)


アラビドプシスの細胞内トランスポーターAtNRAMP6は鉄ホメオスタシスに関係している

The Intracellular Transporter AtNRAMP6 Is Involved in Fe Homeostasis in Arabidopsis
Jiyu Li , Yuerong Wang, Lu Zheng , Yun Li , Xueli Zhou , Jingjun Li , Dongfang Gu , Ending Xu , Yaping Lu , Xi Chen and Wei Zhang
Frontiers in Plant Science   doi:10.3389/fpls.2019.01124
  
自然抵抗性マクロファージタンパク類(Natural resistance-associated macrophage proteins :NRAMPs)はマンガン、カドミウム、鉄などの広域の二価属イオンを輸送することが明らかにされている。
 
鉄は植物にとって必須の微量元素であり、鉄欠乏はクロロシスを引き起こしたり、バイオマスを低下させる。
 
AtNRAMP6はカドミウムを輸送することが明らかにされているが、その生理的作用は現時点では不明である。
 
本研究では顕花植物のアラビドプシスではAtNRAMP6がGolgi/trans-Golgi networkに局在し細胞内鉄ホメオスタシスに重要な役割を果たしていることを実証する。
 
GUS染色による組織発現ではAtNRAMP6遺伝子は側根と3-4番目の葉で発現した。
 
さらに、AtNRAMP6の遺伝子破壊株では、鉄欠乏下で主根に影響せずに側根の成長を阻害した。
 
最後に、AtNRAMP6の遺伝子発現は過剰鉄に対する酵母のΔccc1変異株の感度を悪化させた。
 
これらの知見は鉄欠乏条件下でのアラビドプシスの生育にとってAtNRAMP6が重要な役割を担っていることを示している。
 
 
(下図の説明)
アラビドプシスのプロトプラストでのAtNRAMP6-GFP融合タンパクの細胞内局在。

このAtNRAMP6-GFPコンストラクトは、マーカーmRFP-SYP61 (TGN:trans golgi Network) (A),ST-RFP (Golgi) (B), Man1-mRFP (cis-Golgi) (C), mRFP-ARA7 (PVC:?) (D)と共局在する。Scale bars: 10 μm.

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