WINEP

-植物鉄栄養研究会-


NPO法人
19生都営法特第463号
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動物細胞の「鉄イオンセンサー」研究の発展

Date: 2018-09-10 (Mon)

動物の細胞内の「鉄イオンセンサー」の研究は急速に進展している。以下に中山敬一教授の特別講演要旨から転載する。下図を参考にしながらお読みください。
   
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鉄は種々のタンパク質の活性中心として生命活動に必須の役割を担う一方で、その高い反応性ゆえに過度な鉄はフリーラジカルの発生源となり、細胞毒性やガン化のリスクをもたらす。哺乳類細胞の鉄代謝は、ユビキチンリガーゼFBXL5(F-box and leucine-rich repeat protein 5)と鉄代謝制御因子IRP2によって厳密に調節されている。細胞内に鉄が過剰にある場合には、FBXL5は自身の鉄結合ドメインへの鉄の配位によって安定化し、鉄代謝制御因子IRP2をユビキチン化(下図Ub)し分解する。逆に鉄が不足した状態ではFBXL5は不安定化し、結果的にIRP2は増加する。IRP2は下流にある鉄代謝関連因子群のmRNAの安定性や翻訳効率を調節することによって、細胞内の利用可能な鉄量を増加させる。すなわち、FBXL5-IRP2系は鉄濃度に反応して細胞内の鉄濃度を一定に保つための中心的なシステムである。:::::
(「鉄代謝を司るユビキチンシステムと疾患」
九州大学 生体防御医学研究所 分子医科学分野  中山敬一
第42回日本鉄バイオサイエンス学会学術集会プログラム抄録集(平成30年9月1日―2日。於:金沢医科大学病院)からの転載

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動物の鉄イオンセンサータンパクFBXL5と鉄代謝制御因子IRP2