WINEP

-植物鉄栄養研究会-


NPO法人
19生都営法特第463号
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再論:解放された京都御所の「右近の橘」について

Date: 2018-04-23 (Mon)

最近の京都御所は常時市民に開放されていて、鑑賞しやすくなった。2018年4月6日に御所に見学に入ったのだが、外国人も大勢いて、にぎわっていた。

   さっそく紫宸殿に直行して、いつも気になっている、紫宸殿の「右近の橘(うこんのたちばな)」をじっくりと観察した。橘は正面から見ると一見緑が豊かに見えるのだが、裏に回ると散々なぱさぱさの状態であった。(図1,2,3)
 
   私見では水管理が悪いのと、鉄欠乏の両方で、新葉が出ては枯死して散り、枯死しては散りを繰り返して、まともに樹木が育っていないようである。
    

  そこで次に平安神宮の「右近の橘」を観にいたのだが、昨年はきれいな黄色い実をいくつもつけていた橘の樹が今年は、3つしか実がなく、しかも実がしぼんでおり、葉が散々に散っていた。また明らかに水分欠乏であるのか葉が枯れつつあった。(ここには示していない)
 
   御所も平安神宮も橘の品種がそれぞれの土壌に適していない品種であることは明らかである。鉄剤の葉面散布と、水やりぐらいは、きちんとやるべきだと思う。両者の樹木の管理をしている庭園管理業者は同じなのか異なるのか、気になるところである。


  

 


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図1.京都御所紫宸殿の前の右近の橘(たちばな)。正面からは一見正常に見える。

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図2.上の右近の橘を左側面から見たら後方のほとんどの枝がスカスカ。

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図3.右近の橘を近接してみると葉先がはげしいクロロシスで枯れている。