生体における鉄とアルミニウムの相乗作用について:アルミニウムのプロオキシダント活性:Fe(III)をFe(II)に還元してフェントン反応を向上させる
Date: 2017-02-16 (Thu)
アルミニウムのプロオキシダント活性:Fe(III)をFe(II)に還元してフェントン反応を向上させる
Journal of Inorganic Biochemistry 117(2012)118-123
F Rupierez, JI Mujika, JM Ugalde, C Exley, X Lopez
要旨
Al-superoxide がFe(III)を(Fe(II)に還元することによってフェントン反応による酸化傷害を加速する可能性を種々の機器分析法(高度に精密なab initiomethod, density functiona theoryin solvation continuum method )で調べた。Al-superoxide とFe(III)の反応でFe(II)が生ずる反応は発熱反応である。さらにAl-superoxideのスーパーオキサイドラジカルイオンからの電子の欠失は、アルミウムからの自発的な酸素分子の離脱を促し、Al3+の6水和化合物を回復する。この化合物は再びほかの過酸化物分子を安定化させる傾向にあるので、結果的にこの反応はAl(III)の存在下でのFe(II)濃度を増大させる触媒反応となる。同様な反応がAl(OH)2+(2価)とAL(OH)2+(一価)などの水和物にも見られた。我々の実験結果は、生体内でのアルミニウムは過酸化物を生成するというメカニズムによってpro-oxidant活性を持つという考え方を補強するものである。